よくある法律相談
先日亡くなった母親の相続で、兄弟との話合いがまとまりません。
もう顔も合わせたくないので、弁護士経由で話合いを進めることにしたいです。
弁護士にご依頼いただければ、ご兄弟やその代理人弁護士との交渉を代理人としてお引き受けします。
それでも話合いがまとまらない場合は、家庭裁判所での遺産分割調停に移行しますが、家庭裁判所への書面の提出や当日の諸対応についても引き続き手続代理人として対応します。
家庭裁判所での調停は、2名の調停委員が担当となり、相続人から順番に話を聞いていく方法で進められることが一般的です。
専門的なやりとりが必要になることもありますし、相続人どうしの対立が激しい場合には調停委員を通じた話合いがうまくいかないこともありますので、弁護士を代理人にして話合いを進めることをおすすめします。
遺産分割協議とは?
遺産分割協議とは、相続人どうしが話合い、被相続人の遺産をどのように分けるかを決める手続です。
お亡くなりになった被相続人が遺言書を作成していた場合は、その内容に従って遺産を分けることになりますので、通常は遺産分割協議を行う必要はありません。
一方で、遺言書がない場合には、相続人全員で協議を行い、遺産の分け方を決める必要があります。これを遺産分割協議といいます。
なお、話合いがまとまらなかったり、一部の相続人が協力せず話合いが進まない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることができます。調停では、裁判所の関与のもとでさらに協議を進めることになります。
遺産分割協議において決めなければならないことは、おおむね次のとおりです。
家庭裁判所の遺産分割調停でも、同じような手順で論点の整理を進めることになります。
①相続人の範囲の確定
最初のステップは、遺産分割に相続人として関与する当事者の範囲を確定することです。
配偶者1名と子のみ、というような単純なケースではあまり問題になりませんが、離婚歴がある場合や、兄弟姉妹による相続となる場合、法定相続人が先に亡くなっており代襲相続となる場合などは、戸籍を漏れなく収集することで相続人全員が遺産分割協議に参加しているかどうかを丁寧に確認する必要があります。
また、出生時の事情により無戸籍となっている方も、親族関係が確認された場合は相続人となります。
②遺産の範囲の確定
遺産分割協議は、土地、預貯金、マイカーなど、被相続人が亡くなった時点で保有している資産である「遺産」を対象として行うものです。
一方、被相続人と異なる名義になっている定期預金、ATMで引き出された後に使途が不明となっている現金など、遺産に含まれるかどうか不明な資産については、遺産の範囲に含めるかどうかを相続人間で合意するか、遺産分割調停とは別の裁判手続により確定させる必要があります。
③遺産の評価の確定
遺産の評価は、遺産分割時の時価で行うことになりますが、時価の算定方法が法律などで決まっているわけではありません。
例えば、土地の評価方法については、固定資産税評価額、相続税評価額、路線価(公示価格)などの公的な指標で評価する方法のほか、不動産会社による簡易査定書や、不動産鑑定士による鑑定評価書を用いる方法もあります。
いずれの方法を採るにしても、相続人間で評価について合意をする必要があります。
④特別受益や寄与分の確定
寄与分とは、被相続人の存命中における財産の維持または増加に寄与した相続人について、相続分の増額を認める制度のことです。
特別受益とは、被相続人の存命中に生計の資本となる贈与などを受けた相続人がいる場合における、贈与を受けた金額のことです。特別受益がある場合は、相続分を計算する際に一定のルールに従った考慮(持ち戻し)を行うことになります。
寄与分は相続人の相続分を増やすもの、特別受益は相続人の相続分を減らすものですが、いずれも相続人間の実質的な公平を図るための制度です。
寄与分または特別受益を主張する相続人がいる場合は、その主張を認めるかどうかについて相続人間で話合い、合意をする必要があります。
⑤遺産分割方法の確定
最後に、それぞれの遺産について、遺産分割の方法を確定させる必要があります。
遺産分割の方法には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4つの方法があります。
例えば、実家の土地建物を相続人のうち1名が単独相続し、その代わりに他の相続人に対して金銭を支払うという方法は、「代償分割」にあたります。
詳しくは、後述のQ&Aをご参照ください。
手続の流れ
遺言書があるかどうか
遺産分割を進めるかどうかの前提として、まず遺言書の有無を確認します。
公正証書遺言であれば遺言書で指定されている遺言執行者が遺言の内容を執行します。
また、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合は、家庭裁判所で検認を受けた上で、遺言執行に移行することになります。
遺言書がある場合、遺産分割協議は原則として行わず、遺言書に従って相続手続を進めることになります。
その一方、遺言書がない場合は、遺産分割協議が必要となりますので、相続人全員による話合いを行うことになります。
遺産分割協議
遺産分割協議を成立させるためには、相続人全員の合意が必要です。
相続人の間で話合いがまとまった場合は、遺産分割協議書を作成し、相続人全員が署名・押印を行います。
裁判所での調停をせずに話合いで解決したい、という場合はこの段階で遺産分割協議書を作成することになります。
裁判所での調停でない形で遺産分割協議をまとめるのが良いのか、時間がかかってでも後述の遺産分割調停を申し立てたほうが良いのかは、ケースバイケースですが、これまでの経験を踏まえてアドバイスさせていただきます。
調停になる前の段階でも、お気軽にご相談ください。
遺産分割調停
相続人の1名以上が遺産分割協議の成立を受け入れない場合は、遺産分割協議を成立させることができません。
このような場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てを行い、調停手続において遺産分割協議が成立できる可能性を探っていくことになります。
遺産分割調停では、民間の専門家や有識者から選出される調停委員2名がそれぞれの申立を担当します。家庭裁判所の裁判官も、調停委員の相談役として、またときには一部の調停に同席する形で参加します。
調停委員は、1~2か月おきに「期日」を設定し、それぞれの相続人から個別にお話を聞いていく「交互面接方式」で調停を進めることが一般的です。1回の期日に要する時間は、約1時間半~2時間半です。相続人から事実関係の説明を受けたり、資料の提出を受けたりすることが繰り返される中で、最終的な合意の可能性を探っていくことになります。
なお、調停は非公開の手続です。地方裁判所や簡易裁判所での裁判手続は、傍聴席のある法廷で行われますが、調停の内容が第三者に公開されることはありません。
遺産分割調停に弁護士なしで対応する場合、1回の「期日」あたり半日程度家庭裁判所に足を運ぶ時間を確保する必要があります。当事務所にご依頼いただければ、毎回の「期日」にご依頼者様 が同席いただく必要がなくなりますので、日中仕事がある方も安心して遺産分割調停に対応することができます。
家事審判
話合いがまとまらず調停が成立しない場合は、家事審判手続に移行します。
家事審判手続では、裁判官が主な担当者(審判官)となり、改めて相続人の主張、論点、証拠関係などを整理していくことになります。
これらの整理が完了した後、裁判官が適切と判断した遺産分割の内容が「審判」として決定され、相続人に示されます。
家事審判は、専門職である裁判官が主宰する手続であり、遺産分割調停に比べて、より専門性の高いやりとりがなされることが多くなります。裁判官の真意が十分理解できない状態で手続を進めてしまうと、相続人にとって思いがけない不利益を被るおそれもあります。
そのため、弁護士にご依頼いただくことで、安心して手続を進めることができます。
遺産分割
確定した遺産分割協議書の内容や家事審判での決定内容に従って、具体的な遺産分割の手続を進めます。
遺産分割が完了すると、相続手続は全て終了となります。
署名・押印が完了した遺産分割協議書や家庭裁判所の審判書は、預貯金の払戻しや不動産の相続登記の際に遺産分割協議が成立したことの根拠資料として使われます。
不動産の不動産の名義変更や預金・株式などの解約・分配についても、お困りでしたらサポートさせていただきます。詳細は相続手続代行のページをご確認ください。
弁護士費用
弁護士費用については下記ページをご確認ください。
よくある質問
「遺産分割協議」分野のよくあるご質問とその答えをご紹介いたします。
この他にご質問やご不明な点がございましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。
当事務所の所在地、法律相談の方法、弁護士費用などの一般的なご質問については、 こちらをご参照ください。

- 遺産分割協議がすぐにまとまらない場合、相続税の申告は、遺産分割協議の成立後に行えば問題ないでしょうか?
- いいえ。遺産分割協議の進捗にかかわらず、相続税の申告期限までに相続税の申告と納税を完了させる必要があります。
相続税の申告期限は、被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10か月以内です。
相続税の申告期限を過ぎると、相続税(本税)に加えて、無申告加算税や延滞税の納税が必要となります。また、税務署が悪質と判断したケースでは、「重加算税」という重いペナルティがかかることもあります。
さらに、小規模宅地等の特例や配偶者控除といった税額の軽減措置については、期限内の申告が要件となっていることがあります。申告期限を過ぎた場合は、これらの軽減措置などが利用できなくなる場合があります。
遺産分割協議が成立しない場合でも、相続税の申告期限が先延ばしになることは基本的にありません。相続税の申告期限までに遺産分割協議が成立しない場合は、法定相続分での相続を前提とした申告を期限内に行い、遺産分割協議の成立後に修正申告を行うことになります。 - 遺産分割にはどのような方法がありますか?
- 遺産分割の方法には、主に下記の4つの方法があります。
(1)現物分割
不動産は妻、預金は長男、株式は次男、というように遺産を現物のまま分割する方法
(2)代償分割
例えば、妻が不動産を相続する代償として、他の相続人に代償金を支払うというような方法
(3)換価分割
不動産などの遺産を売却してその代金を分割する方法
(4)共有分割
相続財産を遺産分割協議や法定相続分に応じて共有するという方法
- 誰も取得を希望しない不動産が遺産に含まれる場合は、どうすればよいですか?
- まずは、不動産を第三者に売却できないかを検討してみましょう。当事務所にご依頼いただいた場合は、相続不動産の取扱いに精通している不動産会社をご紹介させていただきます。 第三者への売却が難しい場合は、相続土地国庫帰属制度の利用により手放すことができないかを検討することになります。
- 所在不明で連絡が取れない相続人がいる場合は、どうすればよいですか?
- 戸籍の附票を取り寄せることにより、住民登録をしている住所を調査することはできます。 弁護士名の文書や遺産分割調停の呼出状をこの住所に宛てて発信し、連絡を試みることになりますが、それでも話合いに応じない場合は、家庭裁判所から審判の言渡しを受けることにより、遺産分割の内容を確定させることを目指します。
- 相続人のうちの一人が生前に被相続人の預金を不正に引き出していた場合は、どうすればよいですか?
- 預金の取引履歴を照会し、使途不明金となる預金の引き出しの日時・金額を特定した上で、引き出していた相続人に返金を求めます。
相続人が返金に応じない場合は、遺産分割手続をいったん中断し、地方裁判所の訴訟手続により使途不明金の金額を確定させることを目指すことになります。
解決までに長い期間を要するほか、弁護士費用も追加で必要となります。
ご依頼までの流れ
1. 初回法律相談
まずは、ご予約のうえで当事務所をご訪問いただき、30分~1時間程度のご相談をお受けください。
法律相談の方法は、(1)当事務所会議室での相談、(2)Web会議(Zoom)での相談からお選びいただけます。
初回相談費用 60 分間 無料
2. 初回法律相談後の流れ
初回法律相談後に、お聞かせいただいたお話の内容をもとに、当事務所に依頼した場合の解決方針と料金のお見積をご提示いたします。
ご依頼いただけるようでしたら、お見積に従い、料金(着手金)をお支払ください。
ご依頼いただける場合の料金のお支払には、銀行振込のほか、クレジットカード(VISA、Mastercard、JCB、AMEX)、PayPayをご利用いただけます。(ご依頼内容により銀行振込のみでのお支払いとなる場合がございます。)

公正証書遺言があるかどうか不明な場合は、公証役場に照会することが可能です。
当事務所に遺産分割をご依頼いただいた場合は、公証役場への照会手続も含めてお引き受けできますので、平日日中に公証役場への電話、訪問を行うなどの面倒な手続が不要になります。